キャバクラの仕事は『色恋営業』が主な仕事となる。日々、キャバ嬢は色恋営業をしているのだから実際の恋愛も得意だろうと思われがちだ。けれども、一概にそうとは言えない。
とは言いながら、わたしはキャバ嬢に色恋の指導をするのが仕事だし、キャバ嬢はうまく色恋をかけられるようになるのが仕事だから、色恋についてわたしキャバ嬢スタッフが一丸となって、白熱した議論がおこなわれるのが、日常茶飯事だ。つい先日、色恋について話したのは、
『A型女子の行動を取り入れよう』
という見解だ。ちなみにわたしはB型。B型というのは、我が強くて言い出したら聞かなく男にたいしてダメ出しが多い。自由奔放なのが唯一のいいとこだけど、宇宙人と話してるみたいにちんぷんかんぷんだと思われてしまったらそこで終了。好きになったらまっしぐらで『わたしのこの大好きな気持ちをわかって！』が基本信条のためミステリアスのかけらもない。どうもB型女子は、A型、O型、AB型女子に比べて軍を抜いてモテないようだ。うちの店にもB型女子がたくさんいる。彼女たちの言動をみてると自分を見てるような気分になって悲しくなる。きっと、彼女たちもわたしをみてそう思っているのだろう。一方、
A型女子には『察する』という文化がある。
相手がこうしたいであろうという空気をひたすら読んでくる。相手がこうしたい、という気持ちを組んでから行動するため、相手の気持ちがわかるまでは、警戒心強く、というか辛抱強く行動にでない。例えば、男がわたしに気があるかも……と思ったとしよう。男が具体的な行動にでるまでは様子見、絶対に彼女からは動かない。これは男からみて闘争本能をかきたて追っかけたい気分にさせる。『俺に気があるのかな？』いや、あったらなんらか彼女の方からアクションをしてくるはずだ。『やっぱり好きじゃないのかな。』勇気を振り絞ってデートに誘ってみる。唐突に誘ったにも関わらず快く都合をつけてくれた。『やっぱり俺のこと好きなのかな？』。こうやって惑わせて、はまらせて行くのがA型女子。
B型みたいに大好き大好き言ってる場合ではないのだ。
次にケンカしたとき。A型女子はまず『がまんする』。そしてピンポイントで男がしゅんとなるポイントを探るため日々観察をしている。例えば、楽しみにしていたデート、男に仕事が入ってドタキャンされた場合、ぎゃんぎゃん文句言って『信じられない～』といい放つのがB型。こうなると男は『上等だバカヤロウ』と売り言葉になり最悪の場合ケンカ別れすることになる。A型女子は押し黙ってピンポイントで『都合いいときまでずっと待ってるよ』と態度で示す。これをされると男は内心悪かったな、と罪悪感を感じるのだ。それでもわからない鈍感な男の前では無言の涙まで流す。さめざめ泣かれるとたいていの男は罪悪感にかられA型女子の主張がとおる。引きの営業というか、わたしはA型女子はじめはそれを自然にやっているのだと思ってた。しかし、
A型女子は意外と腹黒く計算してやっている。
でも、ここで男は特別、腹黒い女が嫌いではないのだ。それにA型女子は秘密主義だ。というより、いろんな人のいろんな気持ちを察すると、だんだん『こうだ！』と言えなくなるなるのかもしれない。それがミステリアスな雰囲気を醸し出す。男はなんだかわからないものを追っかけたくなるわけで、女からガツンガツン追っかけてくるとまず萎えてしまうのだ。A型女子がモテるのはこういった理由からなのだ。それならば、他の血液型はA型女子の行動を取り入れればいい。それぞれの血液型にはよさがある。B型は自由奔放さだし、AB型はクールさであり、O型は情熱的、パッションだ。それぞれの持ち味を生かしながら、A型女子の要素を取り入れれば、そんじょそこらのA型女子よりモテるようになるのは当たり前のことなのだ。これがわたしが最近編み出したザ・魔性の女ロジックなのだ。